病人食、離乳食には、なぜ白身魚なのか

チェリー号船頭

2017年08月18日 01:32

病人食、離乳食には、なぜ白身魚なのか
病人や離乳期の乳児の食事に白身魚が登場するのは魚の脂肪と関係がある。
魚の脂肪は、他の食品と比べて少なく、豚肉が全体の約30%、牛肉20%に対して魚は10%しかない。
そのうち、赤身の魚では、なまのサバ(鯖)が100g中16,5g、サンマ(秋刀魚)16,2g、白身魚ではヒラメ(鮃)1,2g
タラ(鱈)0,4gと、白身魚の脂肪分がぐっと少ない。
栄養の面では、白身魚に比べ、ビタミン、鉄分などが赤身の方が上であるほかは、タンパク質量、
消化のよしあしの点でもあまり差がない。
しかし、この脂肪の量に栄養の差が現れているのだ。
魚の脂肪には、心臓病、脳卒中などの成人病を防ぐEPA(エンコサペンタエン酸)が含まれ、
リノレイン酸などの動脈硬化を防ぐ成分も多い。
そうなると病人や離乳食に白身魚が使われているのは、栄養面の理由ではない。
魚の脂質は空気中で酸化されやすく、酸化すると毒を持ち、中毒を起こしやすい。
このため脂肪分の少ない、白身が使われるのである。
また、赤身の魚は、ヒラメ、キス(鱚)などの白身魚にくらべ、よく泳ぎ回るので代謝が激しく、酵素が多い。
いったん魚が死ぬとこの酵素の作用で自己消化が早く進み、鮮度が急速に落ちるので、鮮度が重要視される病人食に赤身は適さない。
味の上でも、脂肪が多いとしつこく感じられる。
さらに赤身には、カツオ節のうまみとして知られている成分であるイノシン酸、グルタミン酸が多く含まれるため、
いっそう味を濃厚にしている。
この点でも赤身魚は病人や乳児には不向きなのである。
byチェリー号船頭の雑学
常滑、大野沖のキス釣り




2017.8.6.
byチェリー号船頭の雑学


あなたにおススメの記事
関連記事